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12年前の上海復旦大学(その2)

12年前、その頃はまだまだ日本人で中国語を学んでいる人も少なく、ようやく大学の中国語学科の学生は就職率が良いと言われはじめた頃です。商社の人事担当者と面接をすると、必ずと言って良いほど、「中国語は出来ますか?できるなら即採用です」と言われはじめたと卒業生から耳にしていました。

また私自身の子供2人も、これからは中国の時代が必ずやってくると感じていたので、小学生の時に日本の公立小学校から東京中華学校に転校させていました。まだ中国では人民服を着ていた人がいた頃の話です。

そんな訳で、中国語を習得すると将来は有利だと確信していましたから、迷わず生徒に上海の復旦大学への進学を薦めたのです。しかし、今になって、台湾と中国の大学を比べてみると以下のような違いがあることが分かりました。

1、中国では外国人はお客様、つまり学費も高いし、授業も中国人の本科生と一緒に受けられる訳ではありません。4年間大学に通うと言っても、外国人だけ固まって勉強するわけですから大学付属語学学校に通っているようなものです。参考までに国立台湾大学への正規留学は、台湾人学生と全く条件は一緒。と言うのも、各学部での募集人員が1~3名と非常に狭き門なのです。本国人に混じって習得する語学レベルの習得の差は歴然としています。

2、学費が違う。中国での年間の学費は45万円程、台湾の国立18万、私立は30万程度です。台湾は台湾人大学生と同じ費用で、外国人留学生に対しても差別無く受け入れてくれます。

3、寮の入居優先順位。アメリカなどでは優先順に、地元出身の学生→国内出身→外国人の順で寮への入居が決まるため、日本人学生は寮に入るのは難しい。しかし台湾での入居順位は完全にこの逆で、日本人学生は優先的に寮に入ることが出来る。中国では、高額な外国人専用宿舎が用意されている。留学の目的の一つである、中華民族の理解と言うことにまで目を向ければ、留学中は本国人の学生と一緒に生活することが望ましいのではないか

4、安全性の問題。これは言うまでもないことだが、反日教育を受けているのは事実であり、今後も色々な問題が頻発することが予想できる。滞在の安全性だけでなく、食事の問題もある、日本で食の安全性が叫ばれる昨今では毎日の食にも気を配りたい。また環境汚染の問題もある。毎日呼吸しないで生きていられる訳もなく、中国に滞在するたびに肺がん・アレルギーの心配をしているのは私だけだろうか?

5、国民性の優しさ。台湾は親日の国柄、また南国という立地、親日派が多いことで日本人には特に親切です。学校でのいじめ等と言ったこともなく、安心して送り出すことが出来ます。心に傷を負った人にも良いのかもしれません。

台湾の大学をお薦めしたい理由は沢山あるのですが、過去30年近く教育に携わり、アメリカや中国・台湾へ留学させた経験を踏まえて「留学には台湾が良い」と思っています。

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