中華民国(台湾)とシンガポールは2013年11月7日午前、シンガポールにおいて「台湾・シンガポール経済パートナー協定」(ASTEP)に調印した。シンガポールは台湾にとり5番目の貿易パートナーであり、台湾とシンガポールとの同協定への調印は、きわめて重要性がある。シンガポールは、台湾と最初に経済パートナー協定を調印した東南アジアの国家でもある。シンガポールは「環太平洋パートナーシップ」(TPP)創設時からの加盟国であり、「東アジア地域包括経済連携」(RCEP)の加盟国でもある。台湾はニュージーランドおよびシンガポールと相次いで経済協力協定に調印した後、台湾がTPPおよびRCEPという2つの地域経済貿易協定への加入のために、有利な条件を創ることができるものとなった。
台湾とシンガポールとの経済・貿易関係は密接である。2013年における二国間の貿易総額は282億米ドルに達し、シンガポールは台湾にとり5番目の貿易パートナーであり、4番目の輸出先、8番目の輸入相手国であり、9番目の来台投資国でもある。台湾はシンガポールにとり、8番目の貿易パートナーであり、10番目の輸出先、5番目の輸入相手国である。
「台湾・シンガポール経済パートナー協定」は、合計17章で構成されており、高いクオリティと基準による、全面的な経済協力協定である。同協定の内容は、物品貿易、原産地規則、関税実務のプロセス、動植物の防疫・検疫検査および衛生検査措置、貿易の技術的障害、電子商取引、サービス貿易、投資、競争政策、政府調達、知的財産権、争議の解決、協定の性質に関する章など広範囲にわたっている。台湾とシンガポールは双方間で2011年5月より同協議の調印に向けた正式な話し合いをスタートさせ、2013年5月に実質的な話し合いがまとまり、その後、本内容の法律的な文言の確認を経て、調印を終えたのである。
同協定の調印は、台湾の貿易開放を加速し、全体的な競争力アップと競争に直面した際の対応力強化にプラスとなるものである。また同時に、世界に向け、台湾が貿易・投資の自由化推進の決意を示すものでもあり、その他の国々が、台湾と経済協力協定を結ぶことに対して、モデル的な効果がある。台湾がTPPおよびRCEPへの加入を実現するという、地域経済統合参加への後押しとなり、台湾が「自由経済アイランド」建設に向けた目標に向かって邁進するのを引き続き推進していく上でより一層プラスとなるのである。
(写真:中央社/外交部 2013年11月7日】