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昏睡状態の日本人帰国 「日本で助けられた」台湾男性が多額の寄付金

(台北 23日 中央社)今月5日、台湾での出張を終えて日本へ戻る途中の航空機内で倒れ、桃園県内の病院に運ばれ治療を続けていた50歳の日本人男性が、予定を繰り上げ22日夜、医療用の特別専用機で家族に付き添われ帰国した。費用については、以前日本で旅行中に大けがをした時に日本の人々に助けてもらったとして匿名の台湾男性が多額の寄付をした。
日本人男性は今月2日、資材の買付けで台湾を訪れ、5日帰国のため乗った飛行機内で意識不明に陥った。このため、同機は桃園国際空港に引き返し、桃園県内の病院に男性を搬送。脳幹出血と診断され、集中治療室での治療が行われ、当日夜には妻と娘が駆けつけた。
しかし、男性は昏睡状態が続き、2週間以上経っても回復の見込みはなく、家族が治療を諦めかけていたところ、台湾の友人らの協力や励まし、状況を知った人々からの支援や寄付があり、妻と娘は台湾の人々の善意を受け入れて男性を日本に連れて帰ることを決意、23日の帰国を計画した。
入院中にかかった急な出費や専用機のチャーター代162万台湾元(約547万円)など帰国費用については、最終的に匿名の台湾男性から100万台湾元(約338万円)以上が寄せられ、これを使うことに。元々寄付を予定していた台湾企業では他の恵まれない人々に寄付金を回すことになった。
この台湾男性は5年前日本に旅行中、スキー事故で頚椎を損傷し手足にマヒが出たが、当時、日本の病院関係者らが治療に手を尽くしてくれたことにずっと感謝の念を抱いており、この機会にぜひ恩返しをさせてほしいと自ら寄付を名乗り出た。
22日には台湾大学病院の医師で年末に行われる台北市長選に出馬予定の柯文哲氏が入院中の男性の様子を見に病院を訪れ、台風上陸前に早く帰国した方がいいと提案。男性と家族は予定を早めて同日夜、準備された専用機で日本に戻った。

(編集:谷口一康)

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