台湾留学サポートセンターと東京農業大学第二高等学校を中心とする群馬県の高校との取り組みが毎日新聞で取材されました。多くの肯定的なコメントと共に反響が非常に大きく、これまで以上にお問い合わせが殺到しています!10年の活動経て、台湾への大学進学という新しい選択肢が広く認知されてきているのは本当に喜ばしいことです。。
群馬県内の高校生の進路として台湾の大学が注目されている。既に進学実績を上げている高校もある。語学が習得でき、学費も安いということに加え、台湾が新型コロナウイルスの封じ込めに比較的成功している点も魅力となっているようだ。【庄司哲也】
「請在下面五個數字加上『+』『―』『×』『÷』四個符號、使結果得出一個最大的整數(下の五つの数字に四つの符号を加え、最大の整数を作ってください)」東農大二高(高崎市)が台湾の大学進学を目指す生徒のために2019年度から始めた中国語講座。黒板に「繁体字」の中国語で設問が書かれ、台湾人の講師は日本語を使わない。生徒も必死で中国語を話そうとしていた。同高進路指導部の岡田雄嗣教諭は「担当している私自身、生徒たちの意欲の高さと語学の進歩の速さに驚いている」と語る。講師は、設問を解くことに生徒の意識を向かわせながら、自然に中国語が身につく工夫をしていた。受講する3年の男子生徒は「発音やリスニングは難しいと感じるが、中国語講座は普段の授業よりも面白い」と話した。
19年度に同高を卒業した24人の生徒が台湾の大学に進学し、9月からキャンパスライフをスタートさせている。その中には日本統治時代の旧帝大の流れをくむ最難関校の台湾大の合格者もいる。県内の私立高4校は10月27日、台湾の5大学とオンラインで結び、連携協定覚書を締結した。協定は県内4校の生徒の入学や奨学金を優先的に認めることなどが主な内容。台湾側は嘉義大や、渋川市に日本の総本山がある台湾の仏教団体「仏光山」系の南華大などの5大学が参加した。
前橋市の共愛学園高もこの協定に加わった。前身の女学校時代から長く校長を務めた周再賜氏が台湾出身という歴史的なつながりがあり、台湾の高校との交流を続けている。同高の天川正副校長は「台湾の大学では中国語はもちろん、英語の授業も行われる。二つの外国語が身につくことは、グローバル社会の中で重要」と考える。学費の安さも魅力だ。年間約40万円と、日本の私立大の平均的な学費の3分の1ほど。さらに台湾では優秀な学生の学費免除など、経済的な支援策も充実している。
一方、大学卒業後の進路を不安視する保護者が多いのも事実だ。だが、東農大二高の加藤秀隆教頭は「中国語を使いこなせる人材が引く手あまたの現状を説明すると納得してくれる」と語る。実際に大手総合商社「伊藤忠商事」では15年から中国語人材の養成を進め、総合職社員の3分の1に当たる約1000人を育成している。さらにコロナ禍で留学環境が狭められている中、台湾が感染者を封じ込めていることも利点だ。加藤教頭は強調する。「感染者が少なく、安心して留学に送り出すことができる。国内の大学では、リモートでの授業が続くが、台湾では通常の授業が行われています」
原文:https://bit.ly/3aUkbJU (2020/12/23)