アメリカの経済誌『フォーブス』で発表された「世界で最も豊かな国と地域」ランキングにおいて、「購買力平価」により計算された1人あたりの国内総生産(GDP)は中東のカタールが8万8222ドルで世界で最も豊かな国家に選ばれた。台湾は3万5604ドルで第21位であったが、第25位の日本及び第27位の韓国を超え、更にはヨーロッパのイギリス(第22位)、フランス(第24位)、スペイン(第28位)、イタリア(第30位)をも上回った。中国はというと、7544ドルで調査対象の182ヶ国/地域中第95位となった。
報道によると、購買力平価は「相対購買力指標」とも呼ばれ、各国の異なる価格水準により算出された貨幣間の等価係数のことで、これにより各国のGDPを合理的に比較することが出来るものである。現行の貨幣レートで各国の人民の生活水準を比較すると誤解が生じるが、購買力平価レートにより比較すると更に正確な数値を算出することが出来るのだ。例えば、日韓両国の1人あたりのGDPは台湾よりも高いが、物価が長年高い水準となっていることから、実際の生活水準は所得に相当しておらず、購買力水準はかえって台湾よりも低いことになる。
今回の調査では全世界182の国や地域を対象にしており、国際通貨基金会(IMF)が公表している2010年の1人あたりのGDPデータに基づき、更に購買力平価(PPP)により調整したもので、結果的にカタールが原油価格高騰や豊富な天然ガス資源の恩恵を受け、最も豊かな国という栄誉を獲得した。
第2位はヨーロッパ金融の中心を担うルーゼンベルクで、1人あたりのGDPは8万1466ドル;アジア国家ではシンガポールがエリアテクノロジーと発展した金融業により5万6694ドルで第3位に上った。その他、第4位から10位までは順にノルウェー、ブルネイ、アラブ連合共和国、アメリカ、香港、スイス、オランダであった。カタール、ノルウェー、ブルネイ及びアラブ連合共和国は主に石油価格の高騰による豊かさだと言える。
ワースト国家は揺れ動く政治・経済によりアフリカ諸国で、特にコンゴ民主共和国は329ドルで世界で最も貧しい国家という結果であった。
(引用:2012年2月28日 中國時報)